借地トラブルQ&A

借地トラブルQ&A

Q1 定期借地権とは何ですか?

A 定期借地権には、3種類あります。
1 一般定期借地権(借地借家法22条)
一般定期借地権では
①存続期間50年以上
②契約の更新がない
③建物の築造による存続期間の延長を認めない
④借地人の建物買取請求権を排除する
⑤公正証書等で合意する
ということを内容にします。

2 事業用定期借地権(借地借家法23条)
事業用借地権では
①存続期間は10年以上50年未満
②契約の更新がない
③建物の築造による存続期間の延長を認めない
④借地人の建物買取請求権を排除する
⑤もっぱら事業の用に供する建物の所有を目的とする
⑥公正証書で合意する
ということが内容になります。
一般定期借地権と異なり、必ず公正証書を作成しなければなりません。

3 建物譲渡特約付借地権(借地借家法24条1項)
建物譲渡特約付借地権とは、普通借地権または一般定期借地権で、存続期間が30年以上経過した場合に、借地上の建物を相当対価で地主に譲渡することを特約することで成立する借地権です。
特約により、建物が地主に譲渡された場合には、借地権は消滅します。
書面での合意は要件になっていませんが、トラブルを避けるために、は書面での合意があったほうが良いでしょう。

 

Q2 借地上の建物が古くなったので建て替えたいのですが、どうしたら良いですか?

A 借地契約では、建物の(増)改築について地主の承諾が必要であることが定められていることが通常ですので、地主の承諾が必要です。
さらに、借地契約では建物の種類・構造・用途について条件が定められていることがほとんどですので、これら条件の変更についても地主の許可が必要になるケースもあります。
例えば、非堅固建物から堅固建物に改築する場合です。

地主が承諾しない場合には、裁判所に対し、地主の承諾に代わる許可を求めることもできます。
承諾されるか否かは(増)改築の内容によりますので、ご相談ください。
承諾料は、条件変更を伴わない増改築の場合は、更地価格の3%程度が多いですが、増改築の内容によっては5%の場合もあります。
条件変更を伴う場合は、更地価格の10%程度が承諾料となるケースが多いです。

 

Q3 借地上の建物を売却したいのですが、どうすればよいでしょうか?

A 借地上の建物を譲渡する際には、借地権を譲渡することになりますが、借地権の譲渡には、地主の承諾が必要になることがほとんどです。
なお、相続の場合には承諾は不要です。
地主が承諾しない場合には、裁判所に対し、地主の承諾に代わる許可を求めることもできます。
承諾料は借地権価格の1割程度と言われています。

 

Q4 借地契約の更新料は、どうやって決めればよいですか?

A 更新料の支払いについて合意がある場合、一般的には借地権価格の5%から10%とされるケースが多いようです。

 

Q5 借地権価格はどのように算定すればよいですか?

A 借地権価格の正確な算定には、不動産鑑定士による鑑定評価が必要です。
簡単な金額を算定するために、国税庁が公開している路線価図に借地権割合を元に算定すること(例えば、「更地価格が3000万円で、路線価図の借地権割合が60%なので、借地権価額は1800万円」という計算方法)もありますが、借地権価格の個別性が反映されないので、あくまで参考程度の金額ということになります。